たべるの

カラスー族に襲われた畑。

2017年7月4日
高橋 忠和高橋 忠和

「お前はほんとうに好きなのか?畑仕事がほんとうに好きなのか?」
ときどき、そう自問してしまう時があります。夏の暑さで頭がクラクラしながら草を刈るとき。冬の寒さに震えながら土を耕すとき。それでもぐちぐち独り言を言った挙句、結局は畑が好き。
しかし、今回ばかりは参りました。体からすっかり力が抜けて、もう畑はできないと思うほどへこみました。

ソラマメが全滅したのです。5月の半ばの事件です。カラスにやられました。
隣の畑の人が言っていました。ものすごい数のカラスが畑に押し寄せてきたそうです。
ソラマメとスナップエンドウ、絹さやがほぼ全滅でした。

その前の週、私は畑でソラマメを確認していました。
うまくいっている。やることは全てやった。久々の豊作。あとは収穫するだけだ。来週収穫しよう。
昨年10月16日に種を蒔き、トンネルで冬を越し、春になったらトンネルを外して今度は支柱を立て、
追肥し、群がる害虫を駆除し、7か月かけてここまでたどり着いて、あとは収穫するだけでした。
それをカラスが全部奪っていった。

なんとか平静を保って食い散らかされたソラマメを確認すると、ほんの少しだけ生き残った小さな実がある。これだけでも助けられないか。
すぐ近くのJAに行き、防鳥ネットを見ると値段がずいぶん高かった。あるかないか分からない程度のソラマメの生き残りのためにそんなにお金はかけられませんでした。
カラスよ、もうこれ以上畑を荒らさないでくれ。そう祈ってその日は畑を離れたのです。

しかし、翌週畑へ行くと完膚無きまでソラマメは全滅でした。自分は無力で無能だった。
覚悟はしていたつもりでも、生き残っていたソラマメを全部食い荒らされるとこたえます。
守ってやれたかもしれないのに、守れなかった。
「お前はほんとうに好きなのか?畑仕事がほんとうに好きなのか?」


今や、私たちの畑はたくさんのカラスに取り囲まれてしまいました。10数羽のカラスが人を恐れるでもなく、すぐそばにいます。どこからか飛来したというより、この辺りの林に住みついたようです。
お隣の畑はキュウリやナスにスイカまで、出来るそばから被害にあったそうで、どうやらカラスは私たちを監視しているようです。実った途端に奪いにくる。

カラスが憎い。カラスになんか負けないぞ。一度失いかけた力が蘇ってきます。
今年のソラマメ、スナップエンドウはやられたけれど、これからはそうはいかない。
夏野菜を守りきろう。
ナス、トマト、ピーマンを防鳥ネットで囲いました。インゲンにも防鳥ネットを張りました。

以来、被害はなくなりましたが、カラスは近くに潜んでこちらを見ているはずです。
この戦い、どこまで続くのだろう。

夏野菜の収穫は6月の末から始まりました。

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