たべるの

スイカ、プカリ。まどろむ木陰

2017年8月8日
高橋 忠和高橋 忠和

今年の春に新しい畑を開いて、そこに何を育てるか皆で相談した。
夏野菜を作ろう。もちろん。里芋の苗も植えよう。それでもまだ畑は余っている。
スイカをやってみようか。

5月の連休中に夏野菜と一緒にスイカの苗を植え付けた。
ウリ科の仲間だからこんな感じかなと植え付けた一週間後、隣の畑のスイカ名人がいろいろ教えてくれた。
日当たりが良くて水はけの良い畑で育てること。これはOKだ。
最初は肥料をやりすぎないこと。ツルボケする。わかりました。
水もやりすぎない。了解です。

6月。摘芯のことなどよくわからないままツルが伸びて葉が広がる。
見よう見まねで敷き藁を敷き、ところどころにペグを打って誘引する。
運が良いのか自然に受粉してくれて、小さな実をつけた。
すごいね。6つ、7つ。良く実をつけた。すごく良い苗なんだね。お隣から褒められた。


7月。ソラマメを収穫目前で全部カラスに持って行かれた苦い経験から、防鳥ネットを張る。
草も刈りすぎるとスイカがカラスの目に止まるからほどほどにねとアドバイスされた。
スイカマットなるものをネットで買って、スイカの実の下に敷く。スイカは日が当たらない部分は白くなるのでスイカマットでスイカの実を地面から浮かせる作戦だ。

8月。スイカは収穫のタイミングも重要だ。植え付けからの日数、結実してからの日数はすでに収穫しても良いタイミングだが、巻きひげが茶色く硬くなっている、実の付いた部分の周りに生えている葉が枯れてくるなどの収穫サインを見極めなくてはいけない。
一週見送ったらまた隣のスイカ名人から連絡があった。
もういい感じではないか。あなたたちのスイカは道路からもよく見える。収穫した方が良いと思う。


そう言われると心配になった。北海道のメロン農家のこともある。いてもたってもいられなくなった。
畑に見に行く。無事だった。うん確かに巻きひげも茶色くなっている。
初めてのスイカ。収穫するぞ!

おお、これは4kg近くありそうだ。スイカを両手に抱えると温かい。
そうだよね、ずっと太陽の光を受けていたからね。
ホームセンターでタライを買ってきた。井戸水を注ぐととても冷たい。
収穫したスイカを入れた。木漏れ日、キラキラ。スイカ、プカリ。

今日はそんなに作業があるわけじゃない。スイカが冷えるまでのんびり過ごす。
畑では作業に追われることばかりなので、こんな時間は久しぶりだな。
切ってみようか。スパッ。
おお、うまい。ジュルジュルジューシーなのに水っぽくない。濃いね。甘いね。


畑で作物を収穫してその場で食べることはままあるが、今回のスイカは格別だな。
スイカって、こんなに美味しいものだったっけ。

嬉しくなった。

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