たべるの

ナスの更新剪定。

2015年8月18日
高橋 忠和高橋 忠和

ナスの原産地はインドと言われています。高温で湿度も高く肥沃な土地に自生していたものが、平城京の時代より前に日本に伝えられたそうです。
その後品種改良が重ねられているのですが、もともとのナスの高温多湿で肥沃な土を好む性格は受け継がれました。私たちの畑のナスも、今年の夏の異常な高温に負けないで元気に育っています。

「ナスは肥料食い」という言葉がありますが、これもナスの本来の性格そのもので、肥沃な土地で生まれたナスですから、肥料が枯れると成長が止まり、実もつかなくなる。私たちも元肥としてたっぷりの堆肥も使いましたし、2度、3度と追肥もしました。

もうひとつナスの基本的な性格として、水を欲しがります。多湿で育つのです。週末農業のわれわれの一番の泣き所。日曜日しか水をやれない。今年のように7月末から連続2週間以上雨のないカラカラの夏は、ナスには具合が良くないのです。

それでも私たちのナスは良く頑張りました。いくら高温好きとは言え、今年のような異常な暑さがナスの成長に良いわけがありません。この酷暑に耐え、水不足をものともせず、大きく葉を広げ、花をつけ、実を結びました。
しかし、最初は紫色のピカピカの実がついていたのが、だんだん色が褪せたボケナスや、部分的に薄茶色に変色した傷果が多くなってきた。葉っぱも害虫にだいぶやられているようです。
疲れているのです。

「親の意見と茄子の花は千に一つも無駄はない」という言い習わしがあります。ナスは花をつけると必ず実を結びます。花の数がそのまま実の成る数量です。たくさんの実を結んでなお、勢いを失ったとは言え、いまだに花をつけている畑のナスですが、ここは一旦休ませた方が良い。ナスにも夏休みをあげましょう。

ナスの更新剪定をやりました。

たった今のナスの活動、葉で陽の光を受け、根から養分を吸い、花をつけて、実を結ぶのを休ませる。このためには枝を落とします。バッサ、バッサ。少し虫に食われている葉っぱはもちろん、花をつけた枝も切り落とします。だいたいの目安として、すべての枝を約1/2に。残した枝先に2枚の葉がついていれば良い。


せっかく大きくなった枝や葉を切り落とすのは、少し気がとがめます。それでもここはナスを休ませるのだという想いでバッサリ行く。やり切ればスッキリします。

枝だけではなく根っこも切ります。根元から半径30cmの円形に、スコップを20〜30cmの深さに入れていきます。ズキッ、ブシッ。自分でやっていながら心配になります。大丈夫だろうか。

こうして一度リセットしたナスは、2〜3週間の後、新しい根を張り、枝を伸ばし、花をつけ、実を結ぶ。秋ナスになるのです。

無事復活してくれるよう、根元に肥料を与え、水もたっぷり撒いてやりました。



この時期、畑のサトイモも水を欲しがっています。
ネギも11月の収穫期に向けて成長中。追肥と土寄せをします。
冬瓜、これは夏野菜ですが遅れて栽培を始めたものです。ようやく良い感じになってきました。ブルームという白い粉が出てきたら収穫まで間もなくです。

夏は盛りを超えようとしています。
畑は8月末から冬野菜の準備に入ります。冬野菜の苗の植え付けや種蒔きが終わった頃、今日更新剪定したナスが、新しく超美味な秋ナスとして実を結ぶはず。

「秋茄子は嫁に食わすな」と言われますが、わたしたちの畑には無縁の話なので、安心して秋ナスの実の成る日を待ちます。

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