たべるの

水見半作(みずみはんさく)

2010年8月27日
高橋 忠和高橋 忠和

田んぼの水の管理は難しいし大変で、昔から「水見半作(みずみはんさく)」と言われているんですってね。
「苗半作」の後の半分は「お天道様まかせ」じゃなくて水の管理「水見半作」だったのだ。
このこと、全然よく分かっていませんでした。

当たり前みたいな話ですが、田んぼは水の田。水によって稲はほぼ一定の温度に守られているし、多くの栄養も田んぼの水から吸収されます。稲のまわりに雑草が生えることも水が防いでいます。
まさに稲の成長は田んぼの水加減しだい。
外から見ていると、田んぼの水は田植えのときからずっとそのままみたいに見えているかもしれないけれど、暑い陽射しに水は蒸発するし、稲は水を吸い上げる。水を常に補給しているのです。
また稲の分げつ期(田植えから30〜50日。一株の茎が3〜4本から分かれて20本ぐらいに増える)の終わりには、土に酸素を補給し、有害ガスを抜くために、いったん田んぼの水を落として、また水を入れるなど、天候や稲の成長に合わせた、細かい水の管理がとても重要。

こうした「水見半作」を、わたしたちは碓井さんひとりに頼りっきりです。
始めに田んぼをやろうと思ったときに、毎日の水の管理がこれほど大変とは想像すらできなかった。
田んぼの南を流れる小川にダムを造り、水を溜めています。そこからポンプで水を汲み上げ、田や畑に水をやる。
碓井さんは毎日仕事を終えてから、自分の畑とわたしたちの田んぼに駆けつけて、面倒を見てくれています。

8月15日。私たちの田んぼの稲が出穂(しゅっすい)、開花しました。感謝です。


しかし、稲の成長が進むとまた新たな問題が起こってきました。
わたしたちの田んぼの排水口に近い部分、全体の1/4ぐらいの部分の稲の成長が悪い。葉が枯れている。
どうしたのだろう。
さらに、「皆殺し野郎」は、結局益虫を殺しまくって、害虫は退治できていなかった。
稲の葉が丸められて、中に虫がいる。やはりアブラムシ用のスミチオンじゃだめだったのです。


8月22日。意を決して農薬を撒きました。害虫「コブノメイガ」を退治するトレボン粉剤。ひょっとしたら「いもち病」かもしれないのでブラシン粉剤。粉剤噴霧器がないので手で撒いた。

はたして効果があるのかないのか。

今年は雨のない夏です。ふんだんに光合成が行われて、稲の穂にデンプンが貯えられています。実が入っていく。
このまま無事に収穫までたどり着けるのか。

シオカラトンボが舞っています。草の中にはマムシも潜む。夏の盛りの葉山の田んぼ。

コメント