夏野菜で、日々ごはん。
あづい。濁音をつけたいくらい、まとわりつくように暑い夏である。それでもそこに、畑があれば、野菜があれば、作業があれば、雑草があれば、あればあればと出かけていく。たっぷり汗をかいて畑仕事をおえると、体はぐったりするのに、どこか元気がでる感じ、なんだろう。収穫した野菜には、手にしただけで伝わってくる明日の元気が詰まっている。
夏は獲れたての美味さが、ひときわ際立つ。育ちの早いキュウリやオクラは週末ファーマーゆえ楽しめないが、茄子もピーマンもインゲンも、収穫直後の初々しい甘さやみずみずしさは格別だ。しっかり熟した「待ったなし」のトマトの旨みは、口に含んだ時の爆発力が半端ない。初夏の収穫物ジャガイモも、掘りたての薄い皮はむしろ風味だし、ねっとりしているのに、みずみずしかったりする。畑から数時間後の食卓、おのずと料理はシンプルになる。
野菜がたっぷりある夏のキッチンは、気分豊かに健康的である。さて何を食べようかと野菜を眺めながら、体の声を聴いてみると、おのずとメニューがきまる。冷凍保存の春大根のおろしに納豆をまぜ冷たい蕎麦の上にのせたら、完熟ミニトマトと新鮮ルッコラを大胆にそえて混ぜ食す。ああ今日はどうしてもカレーだ!茄子・インゲン・メークインをこれでもかと加えたドライカレーは、超簡単レシピで。ちょっと残しておいて、明日のお弁当の一品にもしよう。
体の声を聴いてみる。とりわけ夏は大切にしている。好物を欲にまかせて食べるのとは明らかに違う、体が欲している何かを感じ取るって、生物として正しいんじゃないだろうか。人参のすりながし、今日は温かいまま食そう。つやつや茄子は、揚げようかな、いや今日は刺激のある麻婆でいこう。
畑で収穫してから。こんな繰り返しが、日々となっていく。いまある野菜を、どう食べるか。帰りの道すがら、あるいは冷蔵庫をあけた時、ぱっと決める。収穫量の多さに必然的に作った、大量野菜をこなした日保ちメニューも、副菜として登場する。このトマトマリネ、もう5日くらい食べ続けているかもってことになる。
日々はつづき、日々の夏ごはん、夏野菜ごはんは、つづく。おかげでバテるどころか元気がありがたい。とんでもなく豊かで、幸せなことだ。さて今日は…大収穫のトマトと頂き物のキュウリでガスパチョつくろう。明日の朝ごはんにしよう。夏よ、畑よ、ありがとう、ごちそうさま。
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