たべるの

tanbo2011

2011年6月10日
高橋 忠和高橋 忠和

今年も葉山で、わたしたちは田んぼをやります。しかもずっと大規模に。
新しい田んぼは10m x 12m という大きさで、去年の5倍の大きさです。
もうこの大きさになると人力だけでは無理。
石井さんや碓井さんが、ユンボやトラクターで開墾、荒起こし、用水切りをしてくれました。

昨年はじめて稲作に挑戦して、田んぼの水の管理の大切さを「水見半作」という言葉とともに覚えましたが、田んぼの水の管理が稲作の重要な半分だとしたら、あとの半分は?
それが「苗半作」。苗をうまく育てることができれば「稲作は半分成功したようなもの」と言っても良いぐらい重要なことだそうです。

5月半ば。去年苗を分けていただいた鹿島さんにお願いして、今年はその苗作りを、ほんの少しだけお手伝いさせていただきました。
「最近は田植えを5月中に済ませてしまうところが多くなったようですが、葉山では昔どおり田植えは6月です」鹿島さんの奥さんから解説していただきました。「育苗時期の気温、田んぼの水温管理、先の話だけれど登熟期の日照などを考えると、この葉山では6月初旬の田植えが、昔から最適とされているのです」「たとえば6月12日に田植えをすると決めると、そのちょうど2週間前に籾蒔き(稲の種蒔き)をします」「田植えの2週間前、5月29日に籾蒔きをするためには、さらにその一週間前から浸種(たねひたし)といって、健全な種を水に浸け、十分に水分を与えて稲が発芽しやすくなるようにしておかなくてはいけません」「こういう段取りを前もって決めて、それに合わせて家族や親戚みんなのスケジュールを調整してもらってと、いろいろ大変なのよ(笑)」

育苗箱と呼ばれる、底に穴の開いたプラスチックの箱には、育苗マットがひかれています。このマットには稲の種が発芽して成長するのに必要とされる栄養が含まれています。このマットに十分水を与えてから種を蒔き、その上から育苗用培土をかける作業には「バラ蒔き機」という機械を使うのですね。

初めの3日間は、籾蒔きをした育苗箱をゴザで包み、温度を25℃以上に保って発芽を促し、その後の一週間はビニールハウスの中で温度を保ったまま苗を光に当てて緑化、さらに一週間でしだいに自然条件に近づけて苗を鍛えます。
最初は白っぽくてひ弱な苗が、水と温度と光によって成長します。同時に、根もたくましく育っていきます。

こうして苗を育てている間、田んぼも田植えに向けて最終準備を進めます。
クロ(畔)を作り、田んぼに水を入れ、代掻きをしました。今年は去年の5倍の広さになったため、これはキツい作業でした。

6月5日。私たちを指導していただいている鹿島さんの田んぼの田植えが終わりました。
6月12日。いよいよ、わたしたちの田んぼも、田植えです。

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