たべるの

寒くなると甘くなる。

2013年12月13日
高橋 忠和高橋 忠和

赤や黄色の木の葉が散ると、本格的な冬の到来です。
山や野は色を失い、北の国から雪の知らせが届き始めました。
しかし、意外なことかもしれませんが、畑だけは未だに美しい緑です。
関東以南の畑は、冬はむしろ豊穣の季節。冬野菜の最盛期なのです。
ブロッコリー、プチベール、ハクサイ、ダイコン、小松菜、水菜、春菊。
わたし達の畑も旺盛な緑で溢れています。

これからさらに寒くなっても、この緑が衰えることはありません。
なぜでしょう?
冬野菜は葉や茎にスクロースを蓄えて、寒さから身を守っているからです。
スクロースをいっぱい溜め込んで、寒さに立ち向かうエネルギーとします。
スクロースとはショ糖。熱するとカラメルになるやつです。甘みです。
だから冬野菜は、寒くなると甘くなります。
特にハクサイなどは、一度霜が降りるくらいの寒さに晒されて、
甘み、旨味がグンと増してくるものなのです。

「うっ、うっ、うっ」「寒いね」
朝は身体を縮めていた子供たちも、冬野菜の畑に出て、少したてば元気になりました。
走り出します。飛び回ります。
私も畑の緑の中で、身体が温かくなってきました。笑顔になります。
寒さは、人間も少し甘くするのかな。

冬野菜の横に、来年の初夏を目指すソラマメやスナップエンドウの苗があります。
冬を無事に越すために、マルチを敷いて、ネットを架けましたが、
いくつかの株が枯れてしまいました。
枯れた株を捨てて新しい株に植え替えました。

寒くなると甘くなります。
でも寒すぎると枯れる。

そういうことです。

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