寒くなると甘くなる。
赤や黄色の木の葉が散ると、本格的な冬の到来です。
山や野は色を失い、北の国から雪の知らせが届き始めました。
しかし、意外なことかもしれませんが、畑だけは未だに美しい緑です。
関東以南の畑は、冬はむしろ豊穣の季節。冬野菜の最盛期なのです。
ブロッコリー、プチベール、ハクサイ、ダイコン、小松菜、水菜、春菊。
わたし達の畑も旺盛な緑で溢れています。
これからさらに寒くなっても、この緑が衰えることはありません。
なぜでしょう?
冬野菜は葉や茎にスクロースを蓄えて、寒さから身を守っているからです。
スクロースをいっぱい溜め込んで、寒さに立ち向かうエネルギーとします。
スクロースとはショ糖。熱するとカラメルになるやつです。甘みです。
だから冬野菜は、寒くなると甘くなります。
特にハクサイなどは、一度霜が降りるくらいの寒さに晒されて、
甘み、旨味がグンと増してくるものなのです。
「うっ、うっ、うっ」「寒いね」
朝は身体を縮めていた子供たちも、冬野菜の畑に出て、少したてば元気になりました。
走り出します。飛び回ります。
私も畑の緑の中で、身体が温かくなってきました。笑顔になります。
寒さは、人間も少し甘くするのかな。
冬野菜の横に、来年の初夏を目指すソラマメやスナップエンドウの苗があります。
冬を無事に越すために、マルチを敷いて、ネットを架けましたが、
いくつかの株が枯れてしまいました。
枯れた株を捨てて新しい株に植え替えました。
寒くなると甘くなります。
でも寒すぎると枯れる。
そういうことです。
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