たべるの

収穫成績表

2013年5月31日
高橋 忠和高橋 忠和

私たちが畑に通い始めて、この春で4年になります。
季節ごとに種を蒔き、苗を植え、あっという間の4年でした。
収穫はいつだって嬉しいことだった。
肥料を与え、水を撒く。雑草をとって、土を寄せる。
自然の中で、夢中になって働いて、
収穫は、そのご褒美のように思えたのです。

しかし3年4年と重ねると、
肥料が足りなかったのかな。
もう少し早く種を蒔いておくべきだった。
ああ、あそこで害虫が来なけりゃなぁ。
もっと美味しく、もっと奇麗に、もっとたくさん。そう望んでしまいます。

欲張りだからというわけでもないのです。

葉っぱが虫に食われるのを防ぐためにビニールトンネルを作れば奇麗な葉っぱで収穫できるし、
乾燥した日が続くなら、ウィークデイでも水やりに行けば苗は元気を取り戻す。
勉強したり、工夫したり、力を尽くせば応えてくれる。
逆に、こちらが無知であったり、分かっているのにサボったりすると
たちまち悪い結果になって跳ね返って来る。

収穫は、それまでの3ヶ月間の成績表です。

生活のすべてを畑に注げるわけではないけれど、
天候のことなど、自分たちにはどうにもならないこともあるけれど、
ひとりの生き物である自分が、やはりひとつの生き物である野菜に、十分に力を尽くしたかな。

そして収穫は、明日のための参考書でもあります。

次はもっと美味しく、もっと奇麗に、もっとたくさん。
学ぼうと思えば、畑は、野菜は、教えてくれるのです。

明日の畑。明日の暮らし。明日の自分。

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