収穫成績表
私たちが畑に通い始めて、この春で4年になります。
季節ごとに種を蒔き、苗を植え、あっという間の4年でした。
収穫はいつだって嬉しいことだった。
肥料を与え、水を撒く。雑草をとって、土を寄せる。
自然の中で、夢中になって働いて、
収穫は、そのご褒美のように思えたのです。
しかし3年4年と重ねると、
肥料が足りなかったのかな。
もう少し早く種を蒔いておくべきだった。
ああ、あそこで害虫が来なけりゃなぁ。
もっと美味しく、もっと奇麗に、もっとたくさん。そう望んでしまいます。
欲張りだからというわけでもないのです。
葉っぱが虫に食われるのを防ぐためにビニールトンネルを作れば奇麗な葉っぱで収穫できるし、
乾燥した日が続くなら、ウィークデイでも水やりに行けば苗は元気を取り戻す。
勉強したり、工夫したり、力を尽くせば応えてくれる。
逆に、こちらが無知であったり、分かっているのにサボったりすると
たちまち悪い結果になって跳ね返って来る。
収穫は、それまでの3ヶ月間の成績表です。
生活のすべてを畑に注げるわけではないけれど、
天候のことなど、自分たちにはどうにもならないこともあるけれど、
ひとりの生き物である自分が、やはりひとつの生き物である野菜に、十分に力を尽くしたかな。
そして収穫は、明日のための参考書でもあります。
次はもっと美味しく、もっと奇麗に、もっとたくさん。
学ぼうと思えば、畑は、野菜は、教えてくれるのです。
明日の畑。明日の暮らし。明日の自分。
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