畑の想定外。
畑で野菜を育てる。無事収穫するまでには、向き合わねばならない問題・試練がいくつかある。たとえば作物をねらう虫や鳥。柔らかく美味しいところを、見事に食べる。カラスなどは、食べもせず、つついて遊ぶだけの悪戯をする。実にくやしい。大切な作物、こちらは知恵を使って対抗する。
天気も重要な問題だ。作業するには、おだやかな晴れがいいけれど、恵みの雨もほしい。降りすぎればまた、根くされしないか心配になったりして。これからの季節は、日焼けや虫さされも、用心が必要になる。
まぁ、どれもこれも想定内。畑に「付きもの」のこと。それもふくめて楽しんでいるのだけれど…この数カ月で、思わぬ試練にぶちあたった。
ひとつは「木を根こそぎ抜く」だ。すでにレポートされているから、ご存じの方もいらっしゃるだろう。用地のとある場所にあった姫リンゴの木を抜いたのだ。記念樹みたいに残して周りに新しい畝をと話していたのだけれど、けっこう広い範囲に根がはっているし、耕運機はかけられないし…、じゃがいもを植え付けるならココしかない、やっぱり抜こう!という結論にいたった。言うはやすし、抜くはおそろし。開墾するって、大変なのね。知恵だけじゃなく、意地が必要であった。
もうひとつは、ニュースにもなった「煙霧」である。なにも、そんな日にと言われようが、タイミングを逃せない週末ファーマー。ぼやぼやしていたら、どんどん季節はすすんでしまう。マスクの内側まで、土ぼこりで黒くしながら、春の準備、その日のノルマをはたした。目には、かゆみと、忘れられないモヤモヤの光景が残った。
春夏秋冬、同じであって同じでない季節をくりかえし、きっとまだまだ想定外の出来事が突然ふりかかるんだろうなぁ。それが畑だから。
“ベビーリーフの小松菜”と”ブロッコリーの脇芽”の若々しいオイル蒸しを食しながら(畑に行かなきゃ手にはいらない美味しさだよん)、想定外に楽しい畑を反芻する春、春、春なのだ。
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