たべるの

桜に追い越された馬鈴薯

2013年3月22日
高橋 忠和高橋 忠和

2月初旬に農協で買ったジャガイモの種芋は、芽出しのため100個以上が家の廊下にゴロゴロと、月半ばには畑の土作りも済ませて、準備は万端。
関東地方では2月末から3月初旬にジャガイモの植え付けというのが一般的で、桜の花が開く3月末頃にジャガイモの芽が地表に顔を出すのがベストと言われます。
ところが今年の2月は寒かった。畑に朝は霜が降りていた。
2月中はもちろん、気温の上がらぬ3月最初の日曜日もジャガイモの植え付けを見送りました。
桜の開花を考えれば次の日曜日あたりが狙い目か。

満を持しての3月10日。それがあの煙霧の日。砂嵐。

畑に立ったとき、メンバーみんなおののいた。ものすごい砂の嵐じゃないか。
しかし、退けない。今日を逃すわけにはいかなっかた。
強い風があたりの畑の砂を巻き上げて吹き付ける中、畝を起こし、用意した種芋を植え付けていきました。
額の汗を拭うとタオルは真っ黒。マスクの外側だけでなく内側までも汚れてしまう。

ジャガイモは別名馬鈴薯と言いますが、荷を負うて山を越えて行く馬の首に、獣に襲われぬよう熊に出会わぬようカラーンコローンと良く響く、馬鈴にカタチの良く似た薯を、雨順風調を願いつつ畑に植える我々を、掠めるごとく奪うごとく、猛り狂う虎の躍動咆哮のような砂嵐。

今思えば、あれが春。
私たちは種芋の半分だけを植えてその日を終えたのでした。

砂嵐の日から一気に気温は上昇しました。翌週の日曜日3月17日には、関東地方で桜の花開き始める。

本来であればジャガイモを植えて、3週間程して芽が出るころに咲く桜。その桜の開花を見ながら残り半分の種芋を植えることになってしまいました。

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