たべるの

畑のローテーション。気持ちのローテーション。

2013年2月12日
高橋 忠和高橋 忠和

スモモの木かと思いましたが後に調べれば姫リンゴ。巨木と言う程ではないものの決して小さくはありません。梅や桜の木ぐらい大きさかな。
はじめはこの木を倒す気なんてなかったのです。少し木の周りを避けて畝を起こせば良いと思っていた。ちょこちょこ雑草など取りつつ鍬を使っていると根っこに当たる。「ありゃ、ずいぶん根が張っているのだな」「この木のまわり、3〜4m四方は耕耘機も使えないぞ」「しかし、ジャガイモをやるならここしかない」「畑のローテーションを考えるとね」「やむを得ない。倒そう」そうなったのです。

基本、同じ作物を同じ場所で続けて栽培し続けると、作物は病気になりやすく、収穫も悪くなります。連作障害と言うのですが、ジャガイモなどナス科の作物は連作障害が出やすい。たとえば今年ジャガイモを栽培した場所には、その後3〜5年はジャガイモはもちろん、同じナス科の作物も育てるのを避けるようにします。まあ、冬野菜に関しては思いつくまま手当り次第といった感じで無計画に畑を使ってしまったのですが、これからは少し考えなくちゃいけない。栽培計画です。今年ここにジャガイモを作ったら、来年はあっち。その空いた場所にマメ科の野菜。その次にアブラナ科の野菜。これを畑のローテーションと言いうのですが、メンバーの間で協議して「今年のジャガイモはここにしよう」そう決めたのでした。姫リンゴの木はかわいそうだけれど、こんな風に畑の真ん中に立っていたら、いずれ倒さなくてはならなくなります。「畑のローテーションを考えるとね」「やむを得ない。倒そう」

しかしながら生憎その日の男手は私1人、あとは女性2人。「やれるかな。やってみよう」姫リンゴの木を中心に直径3mの円形に土を掘っていきました。深さ60cmぐらい掘ったかなぁ。土を取り除いてみれば、しっかり張り巡らされた根っこが見えてきた。「ウワッ、すごいなぁ」周辺の土をさらに掘ったり、根元の土を取り払ったり、太い根っこはスコップで叩き切ったり。(ノコギリがなかった)そんなこんなの悪戦苦闘。で、姫リンゴの木を揺すってみても・・・動かない。「こりゃだめかも」

「今日はここまでかな」「来週男手を集めて・・」なんて言いながら私が道具を仕舞おうとしていたら背後からメキメキメキッ。振り返れば、なんと、ご婦人2人で1本の木を根こそぎ、文字通りのネ・コ.ソ.ギ!です。恐るべき女子力。畑の真ん中に残っていた姫リンゴの木を倒しました。

さらに小一時間ほどかけて根っこを切ったり、引き抜いたり、ようやく姫リンゴの木を畑から取り除くことができました。あとには大きな穴。姫リンゴ、ごめんね。

翌週、この穴を埋め戻し、まだ残っている根っこを引き抜いたりしました。

さらに一週間後。畑の天気は良くて、ホッとする温かさ。新しく開いた畑に鍬を入れます。土作りのスタートです。ジャガイモの種芋も買いました。
新しい季節に向かって新しい元気が出てきます。

畑のローテーションとともに私たちの気持ちもローテーション。春へ。

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