食べつくす。
ここの土は特別いい。ぜったい美味しいはず。と期待いっぱいに大根をひっこ抜く。わぉ、水もしたたるハンサム大根じゃあないの。いい肌ツヤだねぇ。葉っぱも青々おいしそうなこと。周りのみんなも夢中になって抜いているぞ。
収穫の手ごたえに意気揚々と軽トラの荷台へ。その背中にtakahashさんのやさしい声がとどく。「この大根は私が種を蒔きましたぁ…」 振り返ると、にんまり口元がほころんでいる。ああ、わかるなぁ。誇らしい気持ちと感謝の気持ち。種から育てたものが、こんなに立派な大根になったのだからなぁ。すいません、わたしは今回ちゃっかり抜いただけです、ありがとうございます。
自分が育てた野菜というのは格別だ。週末ファーマーゆえの、ベテランになりきれぬ初々しさだが、この格別感にうっとりせずにはいられない。
だから大根は、感謝をこめて食べつくす。でかい1本まるごと隅々までいただこう。煮物で、鍋で、ステーキで。葉っぱはジャコと炒めてしっとりふりかけ、皮はピリ辛キンピラに。それでも食べつくせぬぶんを、干し大根にしてハリハリ漬け風常備菜に(おっなかなか、よい出来!)。食べ物とは、ありがたくいただく物と、あらためて畑に教わった。ごちそうさまでした。
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