畑の野菜はなぜ甘い。なぜ美味い。
ダイコン美味しかった。ブロッコリー美味しかった。コマツナ春菊ホウレン草も美味しかった。ハクサイ美味しかった。ゴボウやキャベツは特に美味しかった。
わたしたちが野菜を収穫するときには、「これも美味しいかな、きっと美味しいよね」もう待ちきれなくて、採れたて野菜をその場でかじってしまいます。ダイコンなんかは外の土を落としてから、バキッと割って水も滴るやつをかじるわけです。「甘いよね」「うん、りんごみたい」
外側の葉をバラバラと落として、それこそ真っ白なハクサイもバリバリ食べちゃう。「美味しいね」「ちょっと梨みたいな甘さだね」
自分たちで育てた野菜ですから、不味いワケがありません。
さすがにホウレン草は、その場でというわけにはいかないけれど、その日の夜にさっと湯に通して食べると、これまた甘い。
最初は「美味い」を「甘い」と感じているのかとも思いましたが、ダイコンもハクサイもホウレン草も、やはり甘い。採れたて野菜は甘いのです。ただし収穫から2〜3日たってしまうと、その甘さが感じられなくなる。
なんだろう、あの甘さは。
で、いろいろ調べました。答えは「ショ糖」っていうやつなんですね。別名スクロース。
スクロースは約170度に加熱すると、カラメルになる。甘みですね。
植物は昼間、太陽の光を受けて「光合成」を行います。二酸化炭素をとりこんで、酸素を出すっていう、学校で習いましたよね。その光合成で「澱粉」ができる。この澱粉が夜の間に「ショ糖」に分解されて植物全体に栄養として広がります。トウモロコシやジャガイモみたいに、いったんショ糖として巡ってきた栄養を再び種実、根茎で澱粉として貯えられるものと、植物が生育するエネルギーとして消費されるものがあるのですが、とくに冬の寒い時期は野菜自身が凍ってしまうのを防ぐため、葉や茎に糖をたくさん供給する。だから甘い。
ところがこの甘み。野菜は収穫された時点で生き物としてのシステムが停止してしまうのですが、各細胞はそれぞれ活動を続けます。収穫されたあともエネルギーとして「ショ糖」を消費し続ける。だから甘みも消えていくし、いわゆる鮮度というのが急速に落ちるということらしいです。
畑でかじった野菜の美味しさが嬉しくて、今年の冬は、たくさん野菜を食べています。毎週畑に行ってその度にたくさんの野菜を持ち帰るのですから、どんどん食べなきゃ台所が野菜であふれてしまう(笑)冬がこんなに美味しくて野菜が甘い季節だとは知らなかったですよ。
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