たべるの

目移りものの収穫。

2010年5月10日
さいこさいこ

「竹林の山に入って筍をとりますよ」前もって聞いていたにもかかわらず。出かける前から私の頭の中には、この季節の山や畑にあるであろう、たくさんの旬の味が浮かんでいる。いかん、いかん、まずは筍だ。集中しないと素人に容易に掘れるもんじゃないぞ。案の定、傾斜きびしい山の中、石井家のみなさまの力なくして掘りおこすのは無理と悟り。一心不乱に筍に向き合っている時・・・その声は聞こえた。「これキクラゲだよ」

えっ、何、何? 好奇心がむくむく、くいしん坊の血がさわぐ。おおー、ころがった木からニョキニョキと出ているキクラゲ発見。当たり前だが、生だ。ぷるっとして、意外と大きい。乾燥物しか普段食べない身にとって、いろんな意味で新鮮である。石井家の方々がサッと手早く採ったソレが私の掌に渡される。本能的にパーカーのポケットに収める私、にんまり。

この日は筍はもちろんのこと、作業の合間に山道や畑周辺で(目をきょろきょろさせ隙をみては?)ゲットした「蕗」「三つ葉」「クレソン」「芹」を持ち帰った。昼食にみんなで食べたキクラゲの残りも少々いただいた。目移りのおかげの大収穫である。

さて、こうなると帰りの電車の中、夕飯は何にしようか巡らす思いも忙しくなる。とれたての筍を豚肉と合わせて炒めようかなぁ。いや、めったに手にはいらない生のキクラゲを卵炒めにしようかなぁ。ああ、芹も新鮮なうちに食べたいようなぁ。メニューがビジュアル化されて次々と浮かび、想像の中でも目移り。で、結局「筍・芹・キクラゲ・卵・豚肉炒め」が出来上がった。春の野山に感謝。ごちそうさま。

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