たべるの

堆肥の力。

2010年3月5日
高橋 忠和高橋 忠和

わたしたちが使わせてもらっている堆肥は、このあたり葉山の畑で広く使われているものですが、牛糞(葉山牛の糞です)に稲藁、チップ(木屑)、落ち葉(広葉樹)を混ぜて、これに米糠などを加えて発酵、熟成させたものです。
前の年から準備して、新しい年の2月ごろから、畑の土づくりのために使われます。

わたしたちが「よっちゃん」と呼んでいる、石井さんの叔父さんの石井牧場。葉山牛というブランド発祥の牧場ですが、そこの牛舎の一角に堆肥が山となって積み上げられていて、必要な分だけ軽トラに乗せて畑に運びます。
発酵中は60℃ぐらいまで熱くなった堆肥ですから、冬の畑ににおろすと、湯気が立ちます。でも完熟した牛糞は匂いがないのですよ。

栗林の前に新しく開いた畑は、広さ約200坪ほどもあります。だから堆肥も一山二山ではありません。昔なら、人の力だけで、この大量の堆肥を畑全体に広げていったのですが、よほど大変な作業だったことでしょう。わたし達には、石井さんの弟さんの会社、石井造園の応援があります。恵まれていますねぇ。

パワーシャベルで堆肥を薄く伸ばし、畑の端から順番に約50〜60cmの深さで土を掘り返し、堆肥を鋤き込む。わたしたちはボーッと見学しているだけでは申し訳ないので、掘り起こした土の中から現れた笹の根などを拾い集めるのですが、これはこれでけっこう大変な作業。もともとこの土地は大昔は田圃だったので大きな木の根はないのですが、そのぶん笹が生い茂っていて、土の中に残った根の量が半端ない。

掘り起こし&堆肥の鋤き込み作業のおわった畑です。
この状態で一週間から10日ほど土を乾燥させて、今度はトラクターで耕します。雨が降ったりして十分乾燥していないと土を細かく砕けません。1月の末から2月半ばにかけて葉山地方は晴天に恵まれたので、ご覧の通り、トラクターを使ったあとは、かなりきれいな畑になったでしょう。

鋤き込まれた堆肥は、ゆっくり時間をかけて畑の土を「良い土:水もちが良く水はけが良い」に変えてくれます。
牛糞を主体とした有機肥料は、畑の土に養分をいきわたらせます。堆肥化微生物は病害虫菌の発生を抑制してくれます。

これから耕耘機を使ってさらに土を細かく掘り返します。もうすぐジャガイモの植え込みが始まります。

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