たべるの

ひっそり、おいしい菜。

2015年2月6日
さいこさいこ

キャベツ、白菜、大根、里芋、ブロッコリー。この冬は、畑で収穫した、ずっしり迫力の冬野菜を味わいつくしてきた。そんな野菜たちも残り少なく、畑は土色をあらわにし、なんだか畑が裸で寒がっているようにも見える。

とはいえ寒風の中、健気にひっそり育っている野菜もちゃんとある。主役の冬野菜たちの脇、畑の端とはいえ、平等に降り注いだ陽の光を、鮮やかな緑色にかえて。

種をまくのが、たぶん1週間おそかった「ほうれん草」。わさわさとはいかなかったが、葉がしっかり厚く、ギュッと緑濃く。ほほう、味も良いではないか。畑の端から、食卓の端へ。風味でまけない黒ごま和えで。こういう一品があると、見るだけで体がほっとするものだ。

はじめて種を蒔いた「アスパラ菜」も、その名のとおり、アスパラのように茎をのばし、気づけば少し菜花が咲きかけている。春を待たずに、ちょっと収獲。さっと茹でて、まずはそのまま一口。やさしい食感と甘味がいい。コクのあるチーズをぱらり、オリーブオイルをたらり、ちょっとしたご馳走サラダになった。食感がいいので、刻んで納豆に混ぜ合わせてもみる。ああ、体にいいって味がする。

ひっそり野菜の代表は、ブロッコリーの脇芽である。大きなブロッコリーを収穫したあと脇から出てくるプチブロッコリーは柔らかく、ブロッコリー栽培の密かな楽しみだ。残念ながら今年は、脇芽の勢いはよくないが、そもそもが”おまけ”だから、充分にありがたい。たべるの菜園では、もう冬の風物詩「プチベール」といっしょにオイル蒸しに。作っておけば、常備菜として、ちょこちょこプチ食べできる。お弁当でも名脇役だ。

みんなみんな、おいしい菜。畑は、すみずみまで生きている。ひっそり、しっかり、きょうも畑にごちそうさま。


ほうれん草のゴマ和え

アスパラ菜・パルメジャーノ

アスパラ菜納豆

プチベールとブロッコリーのオイル蒸し

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