たべるの

紫色の、おいしい神秘。

2019年2月22日
さいこさいこ
紫野菜(キャベツ・カブ・プチベール)と夏みかんのサラダ

けっこう多いのである。それは紫色の野菜。

初めて畑で育てたのは、何だろう…「紫カブ」だったかな。加熱すると色がぬけがちなので、たいてい生で食してきた。なんてことのないサラダも、緑の葉っぱ類の中にチラホラ紫色が見え隠れするだけで洒落てみえるから、立派な一皿ができたと自己満足におおいに役立つ野菜だ。

たべるの菜園では、冬の定番「プチベール」にも、紫色が美しい種類がある。緑と紫が合わさった、フリフリな容姿はなんだか高貴に見える。

昨年は、紫色のジャガ芋「シャドークイーン」も育てた。種芋仕入の際、メークインやキタアカリといった馴染の品種と一緒にたまたま見つけ、好奇心にまかせてトライ。育ててみたら、これがなかなかの才色兼備!ほくほくスッキリした味わいと鮮やかな色が同居。シャドークイーン…どこかクセもの感ある名前とは裏腹に、素直で料理しやすい芋だった。今季の栽培計画にも迷わず組み込み決定である。

キタアカリとシャドークイーンの2色ポテサラ

紫への挑戦はとまらない。これまた出会いがしらに見つけた「紫キャベツ」の苗を、キャベツの畝にしのばせた。あれっ、生育がおそいぞ。他のキャベツが順調だっただけに心配になったが、結果オーライ時期がずれての収穫に。冬キャベツらしく中身はぎっしり詰まっていて、サラダ、マリネ、ポタージュスープ、そして餃子…昨今流行の写真映えメニューずらり、初挑戦初収穫をたっぷり楽しむことができた。

不思議なもので、本来なら気味わるいであろう紫色のポタージュも、素直においしそうと感じられる。アンチエイジングなアントシアニンたっぷり!これぞ天然色のちから!

実はいま、あたたかい季節にむけて紫玉ねぎを育成中である。毎年作っていた早生の玉ねぎ苗をゲットしそこねたのを言い訳に、どうせならと植えつけた。この“どうせなら”は、稀有なものへの憧れというか貧乏性ゆえのことだが、紫色の神秘とも思いたい。赤と青、二面性をあわせもつ紫は美意識の象徴。感性ゆたかな人は紫色に惹かれるらしいぞ、そうか、そうか、自分に言いきかせている。紫野菜ラブ、つづく。

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